「ビジネスロジックに関しては、ローコード基盤上で部品を選ぶだけで済むため、開発設計の工程がほぼ不要となる想定です。特別なロジックを持つお客様の場合は開発が発生するものの、極力標準に合わせることで大幅な改善が見込めます」
国内の販売会社に先行導入個社機能を廃止してシンプルな構成に移行
エプソンではEDI 基盤の構築を国内販売会社のエプソン販売から着手し、2026 年4 月までに国内の取引先との接続完了を目指しています。従来の個社仕様を廃止して汎用性を高め、EDI 化の難易度を下げてスピードアップを図る方針について、DX 推進本部 IT 企画設計部 課長の田村智弘氏は次のように語ります。
「通信基盤にOpenText B2B Integration Enterprise を利用し、ビジネスロジックはローコードツールで作成することにしました。機能配置は、マップや静的な情報は通信基盤側、動的な情報はローコード基盤側としています。機能構築では個社対応を廃止して、受注や出荷といった業務種ごとにテーブルを共通化しています。ビジネスロジックについても汎用性を持たせた作り方に変更しました」機能の共通部品化により、新規の顧客との電子化対応期間は従来から50%程度短縮される見 込みです。
「ビジネスロジックに関しては、ローコード基盤上で部品を選ぶだけで済むため、開発設計の工程がほぼ不要となる想定です。特別なロジックを持つお客様の場合は開発が発生するものの、極力標準に合わせることで大幅な改善が見込めます」(田村氏)
EDI システムの導入は、EDI 基盤の構築、取引先の接続移行と2 つのフェーズに分けて進めています。Phase 1 では通信基盤側でのマップ作成とローコード基盤側でのビジネスロジック作成を実施し、Phase 2 では取引先45 社を1 カ月に1 ~ 3 社のベースで順次移行します。もう1 つの工夫は、取引先45 社を規格、プロトコル、難易度をもとに6 つのグループに分けたことです。同社においてマップとローコードの作成は初めての経験のため、まずは基準やテンプレートの作成を優先し、開発メンバーが基盤を学ぶことから始めました。基準づくりを行った初回グループの活動には時間を要したものの、その後は徐々に設計/ 開発スピードが上がっていきました。
共通テーブルの作成に取り組んだ際には1テーブルで1,000 項目を超えたこともありましたが、項目の整理や知見者のアドバイスなどにより250 項目まで整理できました。通信基盤のマップ変換においても、変更の可能性がある項目を見極める基準を設け、マップ定義書の承認者に知見者を加えることで精度を向上。田村氏は、OpenText のスペシャリストのノウハウや経験を活かした対応に助けられたと評価します。
「EDI に関する不明点や悩みを問い合わせた際には、必ず検証した事実に基づいた回答が得られたことで信頼感を持って進めました。また、マップや規格ごとに基準化やパターン化を行うことで量産時の作成効率を高め、短納期で実現できました。想定以上に難易度が高く滞りがちだったマップに関しても、柔軟なスケジュール調整のおかげで計画通りに終えることができました」
日本/ 海外の生産拠点と海外販売拠点へWeb-EDI を導入
エプソン販売へのEDI 導入後は、日本と海外の生産拠点に対して調達Web-EDI を導入する計画で、国や地域による商習慣の違いや遵法対応、サプライヤーごとの取引条件を踏まえながらERP とのデータインターフェースやマッピングを実装していく予定です。同様に、海外販売拠点に対しても販売Web-EDI の導入を検討中で、受注業務の個社対応を実現しているフルスクラッチの現行システムからパッケージベースのOpenText Trading Grid Supplier Hub などに置き換えることで、標準化を進めることを検討しています。
エプソンでは今後もOpenText に対して、強力なマネジメント体制と稼働後の運用・サービス体制、リーズナブルな価格でのサービス提供に期待を寄せています。
「EDI システムの導入パートナーとして、ノウハウやナレッジを活かしたプロアクティブな対応と、トラブル発生時の迅速な対応と解決までのサポート、新規取引先追加の迅速なサービスインに期待しています」(小口氏)